はじめに
負けないことが、勝つための大前提
株式でお金を稼ぐ、という言葉だけ聞くと、「勝つこと」にフォーカスしてしまいがちですが、実は、投資においては「負けないこと」の方が圧倒的に大事です。
「勝つため」の知識というのは世の中に溢れていて、正しい情報、間違った情報、古い情報、最新の情報と、玉石混交です。しかも、時期や情勢によってコロコロと移り変わっていったりします。しかし、「負けないため」の知識というのは、本質的なものが多いので、時代や時期が変わっても通用するものが多いです。
この教材では、そんな「負けないための知識」のうち、比較的簡単に使えて効果の高い、「銘柄を売買するタイミング」についての知識をいくつか解説しています。是非、この記事を読み返してあなたの投資に役立ててください。
1.月初・月末の値動きの傾向(アノマリー)
まず解説するのは、季節性のアノマリーをうまく活かす方法についてです。

アノマリーと呼ばれる現象は沢山あります。たとえば、「1月効果」「モメンタム効果」「リターン・リバーサル」「低PER効果」など、聞いたことのあるアノマリーもあるかもしれません。
その中でも、今回ご紹介するのは「月初・月末」にかかわる値動きです。2008年から2025年までの18年間(216か月)の日経平均で、各月の最初の営業日と最後の営業日の値動き(前日比)を調べると、次のようになりました。
| 月初(その月の最初の営業日)に上昇した割合 | 56.9% |
| (参考)ふだんの営業日に上昇した割合 | 52.9% |
| 月末(その月の最後の営業日)に下落した割合 | 52.8% |
| (参考)ふだんの営業日に下落した割合 | 約47% |
| 月末に下落したあと、翌月初に上昇した割合 | 59.3% |
月初は、ふだんの日よりも上がりやすい傾向が、長い期間で見ても続いていることが分かります。また、月末は、ふだんの日よりも少し下がりやすい傾向もあります。
また、月末に下げた場合は、翌月初に上昇した割合が約6割と、少し高くなっています。
例えば、月末に購入したい銘柄がある時は、月末の下げで慌てて買わず、翌月初の動きを確認してから購入する、という判断もできます。
これはあくまで「傾向」に過ぎないので、必ずそうなるわけではありませんが、シンプルかつすぐに使える内容です。
結論
月末は少し下がりやすく、月初は少し上がりやすい傾向がある。
月末に下げたときは、翌月初の動きを確認してから買うのも一つの方法。
2.信用買いの「6か月の期日」を意識する
株式の取引には、証券会社からお金を借りて株を買う「信用買い」という方法があります。
信用取引のうち、取引所のルールに沿って行う「制度信用取引」では、借りたお金を返す期限が最長6か月と決まっています。そのため、6か月前に信用買いが大きく増えていた銘柄は、期限が近づくと、返済のための売りが出やすくなります。
株価が大きく上がって信用買いが急に増えた銘柄は、約6か月後に売りが出やすいことを覚えておきましょう。反対に、この売りが出尽くしたあとは、上値が軽くなることもあります。
信用買いの残高(信用買い残)の増え方は、SBI証券などの証券会社の銘柄の詳細画面や、株探(かぶたん)などの株式情報サイトで確認できます。
※証券会社が独自に条件を決める「一般信用取引」では、返済期限が6か月と異なる場合があります。
結論
信用買いが急に増えた銘柄は、約6か月後の返済売りに注意!
3.空売り比率で相場の「売られすぎ」を知る
空売りとは、株を借りて先に売り、値下がりしたところで買い戻して利益を狙う取引です。
「空売り比率」は、その日の売買のうち、空売りがどのくらいの割合だったかを表す数字で、東京証券取引所が毎日公表しています。
空売りをした人は、いつか必ず株を買い戻さなければなりません。つまり、空売り比率が高い状態は、空売りが増えていて、あとで「買い戻しの注文」が入る可能性がある状態とも言えます。悪い材料が出尽くしたときに、この買い戻しが重なると、相場が反発するきっかけになることがあります。
ただし、空売り比率だけで反発のタイミングを当てることはできません。相場が大きく下がっているときに、「売られすぎていないか」を確かめる材料の一つとして使いましょう。
結論
空売り比率が高いときは、将来の買い戻しが控えている。
ほかの材料とあわせて、反発のきっかけを探ろう!
4.回転日数を見て長期保有されている銘柄を狙う
証券会社の銘柄の詳細画面では、信用取引のデータの中に「回転日数」という項目があります。(下の画像はSBI証券の例です)

新規取引から決済までの一連の流れを1回転といい、その1回転にかかった日数を回転日数と言います。回転日数を見ることで、銘柄が買われてから決済されるまでにかかった日数がわかります。
なぜ「回転日数」に注目するべきなのかを解説するために、3つのデータを用意しました。

レーザーテック(6920)の回転日数を見てみると、3.5日と短期的に売買されていることがわかります。逆に、さくらインターネット(3778)の回転日数を見てみると、28.1日と平均1ヶ月近く保有されていることがわかります。(数字は画像の時点のものです)
回転日数が短い=保有期間が短い、ということは、その分すぐに売られやすいということです。短期的に売買されている銘柄より、比較的長期的に保有されている銘柄のほうが下がりにくい傾向があります。
購入するのは、なるべく回転日数が長い銘柄になるよう意識しましょう!
結論
回転日数の長い銘柄を狙って購入することで、値下がりのリスクを抑えることにつながる。
5.日銀のETF買い入れは終わり、「売る側」に変わった
日本銀行は、2010年12月から、株価指数に連動する投資信託(ETF)の買い入れを行ってきました。以前は、午前中に株価が大きく下がった日に、午後から日銀がETFを買い入れることが多く、「大きく下げた日は日銀が買い支えてくれる」と考える投資家もいました。
しかし、日銀は2024年3月にETFの新しい買い入れを終了しました。さらに2025年9月には、保有しているETFを少しずつ売却していく方針を決めています。売却のペースは、帳簿上の金額で年間3,300億円程度と、相場への影響を抑えた、とてもゆっくりしたものです。
つまり、今は、株価が大きく下がった日に日銀が買い支えてくれることはありません。下落した日に「そのうち誰かが買い支えてくれるだろう」と考えて買うのではなく、ご自身の判断材料で売買のタイミングを決めることが大切です。
結論
日銀の買い支えは、もう期待できない。
下落した日は、ほかの判断材料でタイミングを決めよう!
6.決算発表の日を確認してから売買する
株価が大きく動きやすいのが、決算発表の前後です。業績が予想より良ければ大きく上がり、悪ければ大きく下がることがあります。
シグナルが届いて購入を検討するときは、その銘柄の次の決算発表がいつかを確認しておきましょう。決算発表の日は、株探(かぶたん)などの株式情報サイトや、会社のホームページで確認できます。
決算発表の直前に買う場合は、発表の内容によって株価が大きく動くことを理解したうえで判断しましょう。
結論
シグナルが届いたら、次の決算発表の日も確認しよう!
まとめ
銘柄売買のタイミングに迷ったら…
月初・月末の傾向、信用買いの期日、空売り比率、回転日数、決算発表の日を確認して、有利に売買を行いましょう。
また、以前のように日銀の買い支えを期待することはできなくなりました。相場の仕組みは、時代とともに変わっていきます。
いかがでしたか?
初級編の解説は、「銘柄を選ぶ」ことに特化した解説でしたが、中級編では、「売買タイミング」について重きをおいた解説をさせて頂きました。
どの方法も、比較的簡単に取引に活かせる方法で、あなたの取引を有利に進める助けになります。
実際に株式投資を行いながら、少しずつでもこういった知識を学んでいくことで、より安定したトレードができるようになっていきます。
銘柄の候補は、本システムがシグナルとして毎朝お届けします。
この教材で学んだ内容を活かしつつ、是非本システムで最初の利益を手にしてみてくださいね!
あなたの喜びの声をおまちしております。
