【中級編】銘柄購入のベストタイミングを見極める

はじめに

負けないことが、勝つための大前提

株式でお金を稼ぐ、という言葉だけ聞くと、「勝つこと」にフォーカスしてしまいがちですが、実は、投資においては「負けないこと」の方が圧倒的に大事です。

「勝つため」の知識というのは世の中に溢れていて、正しい情報、間違った情報、古い情報、最新の情報と、玉石混交です。しかも、時期や情勢によってコロコロと移り変わっていったりします。しかし、「負けないため」の知識というのは、本質的なものが多いので、時代や時期が変わっても通用するものが多いです。

すぐ変わってしまう勝つ方法と、ずっと使える負けない方法。

ここまでお話すれば、どちらから学ぶべきかは明確だと思います。

この教材では、そんな「負けないための知識」のうち、比較的簡単に使えて、効果の高い「銘柄購入のタイミングについて」の役立つ知識をいくつか解説しています。是非、是非、この記事を読み返してあなたの投資に役立ててください。

 

1.月末月初のアノマリー

まず解説するのは、季節性のアノマリーをうまく活かす方法についてです。

アノマリーと呼ばれる現象は沢山あります。たとえば、「1月効果」「モメンタム効果」「リターン・リバーサル」「低PER効果」など、聞いたことのあるアノマリーも中にはあったりするかもしれません。

その中でも、今回ご紹介するのは、「月末・月初」にかかわるアノマリーです。内容は至ってシンプル、日経平均は月末は売られて月初に買われる傾向にある、というものです。まずは、下記のデータを御覧ください。分かりやすいよう、+なら緑、ーなら赤に色分けしています。

上記のデータを色に注目して見ていただくだけでも、月初の値動きと月末の値動きでは、それぞれ別の傾向があることがわかると思います。月初の値動きは全体的にプラス(緑色)が多く、月末の値動きは全体的にマイナス(赤色)が多くなっています。

このデータを数字で確認すると、その傾向がより分かります。月初が陽線である確率が36分の21で58.33%月末が陰線である確率が36分の25で69.44%となっています。

古すぎるデータを引っ張って来ても今の経済状況などと違いすぎて参考にならない可能性もあるため、直近3年のデータですが、これだけで傾向があることの証明になると思います。また、より細かいこともお話すると、月末が陰線だった場合翌月が陽線で始まる可能性は25分の16で64.0%と、より強い傾向があることがわかります。これはあくまで「傾向」に過ぎないので、確率が100%というわけではありませんが、シンプルかつすぐに使える内容です。

例えば、25日頃に購入したい銘柄がある時なら陰線を引く可能性の高い月末をまってから購入するほうが損をする可能性が低くなります。

さらに慎重になるなら、月初の陽線が出て反転したことを確認してから購入しよう、という判断もできます。

このように、アノマリーをうまく活用することで取引の勝率を上げたり、負ける可能性を減らすことができます。今回紹介したのは「月末・月初」のアノマリーだけですが、他のアノマリーでもしっかりデータを取り傾向を知ることで自分の取引に活かすことが可能です。

結論

月末付近で銘柄の購入をする場合、月末に下がる可能性を考慮する。
月初の陽線を確認してから購入するとより確実。

 

2.日経平均下落が始まってからの期間を見る

通常の株式取引は、はじめに銘柄を購入し、売却した時にその差額が利益となります。対して、先に売りから入り値下がりしたところで買い戻す「空売り」という取引方法もあります。

この、空売りという取引方法はその性質上、他から銘柄を借り受けて行います。ただ、空売りの制約として、6ヶ月の期間が経つと強制的に買い戻しされてしまいます。

下記の画像を見ると分かる通り、ぴったりではないですが、半年付近で底打ちして上昇してるのが分かると思います!

つまり、日経が上がりきったときに銘柄を購入するよりも、空売りの影響で日経が下がりきったタイミングを狙って購入するほうがより多くの利益が取れます。

このように空売りの周期を意識することで、有利な買い入れのチャンスを待つことができます。

結論

銘柄購入のタイミングは、空売りの周期を見て検討すると、より有利に取引ができる。

 

3.空売り比率で反発のタイミングを察知する

先程は、空売りの周期を見ることでより安定したトレードに役立てることができる、というお話をしましたが、これはあくまで6カ月毎の周期によって反発が来るかもしれない、といったものです。

しかし、より詳細に空売りによって反発が起こるタイミングを図る方法があります。

それが、空売り比率を見る方法です。実は、この空売り比率という数字はとても重要で、この数字を見るだけで日経平均が反発するタイミングがわかってしまうものになっています。

この空売り比率が50%を超えると、日経平均が反発する可能性が非常に高いです。直近5年間で見ると、日経平均の空売り比率が50%を超えた回数は25回ほどありますが、そのうち10回以上が翌日に反発しており、それ以外もほとんどが数日以内に反発しています。

こちらは、シンプルですが即効性がある方法なので、購入銘柄が決まったら日経平均の空売り比率を確認して、50%近辺だった場合、50%を超えてから購入するだけで、日経平均の反発の後押しがある状態で銘柄購入を行うことができます。

また、決済に関しても同じです。空売り比率が50%を超える場合、反発を待ってから決済したほうがより利益を取れる可能性が大きいです。

結論

日経平均の空売り比率が50%を超えると、翌日もしくは数日間で反発する傾向にある。

 

4.回転日数を見て長期保有されている銘柄を狙う

SBI証券にて、銘柄を指定し赤枠の情報開示のボタンを押すと、下の方に信用データやテクニカル指標の詳細情報がでてきます。

その中でも注目するべきポイントは日証金 賃借取引残高のデータの中にある「回転日数」という項目になります。

新規取引から決済までの一連の流れを1回転といい、その1回転にかかった日数を回転日数と言います。回転日数を見ることで、銘柄が買われてから決済されるまでにかかった日数がわかります。

なぜ「回転日数」に注目するべきなのかを解説するために、3つのデータを用意しました。

レーザーテック(6920)の回転日数を見てみると、3.5日と短期的に売買されていることがわかります。逆に、さくらインターネットの回転日数を見てみると、28.1日と平均1ヶ月近く保有されていることがわかります。

回転日数が短い = 保有期間が短い ということは、その分銘柄が値下がりするリスクも大きいということなので、レーザーテックのように売買が短期的に行われている銘柄より、比較的長期的に保有されている銘柄のほうが下がりにくいです。
購入するのは、なるべく回転日数が長い銘柄になるよう意識しましょう!

結論

回転日数の長い銘柄を狙って購入することで、値下がりのリスクを最小限に抑えることができる。

 

5.日銀がETFを買い入れするタイミングを狙う

日本銀行は物価の安定と金融システムの安定を目指すために、2010年12月から上場投資信託(ETF)の買い入れを始めました。

2021年までは、TOPIXの前場終値が前日終値から0.5%下落するとETF買い入れを実施する傾向にありましたが、

直近の買い入れ条件は
「前場TOPIXが-2.00%以上の下落をすること」です。

その条件を満たすと、後場から701億円分のETFの買い入れを実施しています。

過去に比べて直近2年は年間の買い入れ額が減っていますが、未だに買い入れを行っています。

下記に、直近のデータをまとめてみました。

買い入れ額 前場TOPIX値幅
2022 12月2日 701億 -2.40%
8月29日 買い入れなし -1.99%
6月17日 701億 -2.03%
6月13日 701億 -2.01%
5月19日 701億 -2.03%
4月7日 701億 -2.00%
3月7日 701億 -2.88%
3月11日 買い入れなし -1.99%
2月14日 701億 -2.02%
1月25日 701億 -2.02%
1月14日 701億 -2.02%
2021 10月1日 701億 -2.03%
9月29日 701億 -2.40%
6月21日 701億 -2.55%
4月21日 701億 -2.17%
3月30日 501億 -1.06%
3月24日 701億 -2.21%
3月22日 501億 -1.11%
3月5日 501億 -1.09%
3月4日 501億 -1.26%
2月26日 501億 -1.92%
1月28日 501億 -0.86%
1月20日 501億 -0.51%
1月15日 501億 -0.51%
1月4日 501億 -0.66%

 

表のとおり、前場TOPIX値幅をわざと-1.99%で止めるように価格を調整して、買い入れをさせない日もあります。(誰がやっているかまでは分かりませんが)

ですので、購入したい銘柄が下落した場合、TOPIXが前場で2%未満の下落であれば買いを見送って、

日銀の買い入れ条件を満たせば、
日銀が買い支えてくれるから後場から自分も購入したい銘柄を買おう!
という風に、銘柄購入のタイミングをより有利に判断することが可能です。

結論

購入を検討する銘柄が下落したときは、TOPIXの前場を確認して、
-2%未満の下落なら見送り、-2%以上下落していたら購入することで、
日銀の買い入れを考慮した有利な売買ができる。

 

まとめ

銘柄売買のタイミングに迷ったら…
アノマリー、日経平均の下落からの期間、空売り比率、回転日数や
TOPIXの前場の動きを確認して、有利に売買を行いましょう。

いかがでしたか?

初級編の解説は、「銘柄を選ぶ」ことに特化した解説でしたが、中級編では、「売買タイミング」について重きをおいた解説をさせて頂きました。

どの方法も、比較的簡単に取引に活かせる方法で、きちんと行えば、あなたの取引をより有利に進めることができます

今回紹介したのは、すぐに使えるシンプルなものですが、
他にも有用なアノマリーや相場の法則も沢山あります。

実際に株式投資を行いながら、少しずつでもこういった知識を学んでいくことで
より安定したトレードができるようになっていきます。

ここまで御覧頂いて、「購入タイミング」はわかっても、結局どの銘柄を購入すべきかわからない…
と思っている方もいらっしゃると思います。

利益の出る銘柄を0から自分で見つけ、リサーチできるようになるには、株式や相場に関する幅広い知識や経験が必要になります。初級編でもお話した通り、時間をかけて身につける技術です。

でも、安心してください!!
「利益の出る銘柄を0から見つける」作業は全て自動で行ってくれます!

この教材で学んだ内容を活かしつつ、是非本システムで最初の利益を手にしてみてくださいね!
あなたの喜びの声をおまちしております。